【銘柄分析】Hes(ヘス)ガイアナ沖で世界最大級の油田発見??大手石油掘削企業!!

米国株
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こんちゃす!20代ひよっこ投資家るしふぁー@rushifer_hiyoko)です。

今回は、Hess Corporation(ヘス・コーポレーション)という銘柄を紹介していきます。

Hess Corporation(ヘス・コーポレーション)は、石油や天然ガスの掘削を行っているエネルギー企業です。

  • ガイアナ沖世界最大級のオフショア油田の発見。回収可能資源量は約100億バレル
  • 2022年第3四半期の当期純利益$515M、フリーキャッシュフロー$1.4B
  • 2026年までに石油1バレルあたり約$9まで供給コスト削減。
  • 第3四半期に株主に還元された現金総額は、$265M(配当含む)

石油企業に注目する理由として、インフレ傾向であることおよび社会情勢の懸念から、石油価格は高止まりしています。また、世界的に石油の供給不足に陥っていることも石油企業に注目する一つの要因です。

以下の記事で、エネルギー株の詳しい記事について紹介しています。

【米国株】インフレ・金利上昇局面にも強い!おすすめエネルギー株3選!!

こういった石油事情がある中で、特に毛並みのいい石油企業である Hess Corporation(以下、Hes)を取り上げています。

他の銘柄分析については、こちらから。

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Hesはどんな会社?

Hesは、原油や天然ガスの探査と生産を行っている世界有数のエネルギー会社です。Hesは、主にメキシコ湾ガイアナ沖マレー半島やタイなどで原油・天然ガスの生産を行っています。特にガイアナ沖での掘削・開発活動に力を入れており、過去10年間で最大の油田を発見したと言われています。

投資家
投資家

Hesの主な事業は、原油や天然ガスの生産を行っているとのこと

だけど、販売などの川下事業は行っていないの?

るしふぁー
るしふぁー

Hesは、2014年に数年来にわたる変革が行われたよ。

これにより、川下事業は全て売却。今は川上事業のみ行っているよ。

ここで、Hesの主な活動拠点について紹介をしていきます。

Hesの石油開発事業について、1951年にノースダゴダ州でAmerada Petroleum(のちにHesと合併)が油田を発見したところが始まりです。1933年に始めは原油運搬事業として会社設立されましたが、油田発見をきっかけに石油開発事業として変化があったきっかけとなります。

【主な開発拠点】

  • ノースダゴダ州…1951年油田発見。1957年生産開始。Hesのシェール生産において最大の生産量及び及び掘削面積を誇る。権益割合は運営リース約75%。非運営リース約10%。
  • リビア…1958年〜1961年の間に大規模な油田が5つ発見。1962年生産開始。近年、社会情勢の不安定化により生産が中断されていたが、2017年より生産再開。権益割合8.16%。共同所有者はNOC、コノコフィリップスなど。
  • メキシコ湾…リャノ、チューブラベルズ、ESOXなど様々な拠点で油田開発・生産が行われている。第4四半期の純生産量は39,000バレル/日。
  • スリナム…鉱区42と鉱区59が存在。鉱区42はシェルとシェブロンとHesで3分の1ずつ営業権を取得。鉱区59について、エクソンモービルとスタトイルとHesで3分の1ずつ営業権を取得。
  • ガイアナ…後に後述。
  • マレーシア・タイ…後に後述。
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Hesの主要事業

ここからは、Hesの主要事業について深掘りをしていきます。

ガイアナ沖のスタブローク鉱区開発

Lisa DestinyFPSO(Lisa計画第1フェーズで使用)

ガイアナ沖の開発鉱区は主に2つあります。それは、スターブローク鉱区カイエトゥール鉱区の2つ。カイエトゥール鉱区では、エクソンモービルが35%の権益を持っており、メインオペレーターとなっています。Hesの権益は20%です。

ガイアナ沖の開発鉱区で特に注目に値するのは、スターブローク鉱区です。ガイアナ沖120マイルに位置し、鉱区のサイズは、メキシコ湾の1,150ブロックに値する世界最大級の油田です。ガイアナの石油生産量のみでメキシコ湾全体の石油生産量を大きく超えます。

2022年1日あたり平均純生産量
メキシコ湾約30,000バレル
東南アジア約65,000バレル
ガイアナ沖約65,000〜70,000バレル

スターブローク鉱区の残存資源量は約100億バレルと推定されており、他にも数十億バレルの残存資源量がある可能性があります。

また、ウッドマッケンジーの調査によると、世界で最もマージンが高く石油の質がいいとのことです。

権益について、エクソンモービルが約45%でメインオペレーターです。他の生産企業は、Hesが30%、残りの25%がCNOOC(中国海洋石油総公司)です。

ガイアナ油田では、以下5つのプロジェクトが進行しています。

  • Liza計画(第1フェーズ)…13万バレル/日の生産能力を持つ。2019年2月最初の生産開始。
  • Liza計画(第2フェーズ)22万バレル/日の生産能力と持つ。2022年2月に生産開始。現在は最終段階で試運転と接続などの調整が行われている。第3四半期までに約22万バレル/日に到達予定。
  • Payara計画…最大22万バレル/日の生産能力を持つ。Payara油田は2020年9月に政府認可。最初の石油生産は2024年開始予定。現時点でプロジェクト進行割合は66%。石油開発船は2023年下半期に生産に向け建設活動進行中。
  • Yellowtail計画…4つの計画のなかで最大の開発プロジェクト。政府の承認及びプロジェクトの認可取得。2025年石油生産開始予定。
  • Uaru計画25万バレル/日の生産能力を持つ。2023年第1四半期までに政府の承認予定。2026年末に最初の石油生産開始予定。

特に注目に値するのは、Liza計画(第2フェーズ)とPayara計画の2つの計画です。これらの計画について、2021年第4Qのconference callにおいて、かなり質問があった印象です。これらの計画の進捗具合によって会社の業績が左右されると考えられます。

東南アジア(マレーシア・タイ)での鉱区開発

北マレー地域での開発の様子

Hesの東南アジアでの開発について、タイ湾のマレー地域にあるJDA(マレーシア・タイ共同開発地域)鉱区A-18の開発とマレーシア沖合にある北マレー地域での開発の2つに分かれます。

前者のJDA(マレーシア・タイ共同開発地域)鉱区A-18の開発について、天然ガス油田が1971年に発見され、2005年に生産が開始されています。Hesは50%の権益を持っています。

東南アジア地域での開発の中で注目すべきなのは後者の北マレー地域での開発についてです。

この開発において、Hesはメインオペレーターであり、50%の権益を持っています。(残り50%はPETORONAS)

北マレー地域では10のガス油田が発見され、マレー半島のエネルギー需要などに鑑み、一気に開発を進めずに、段階的に開発されています。

  • フェーズ1:2017年天然ガス生産開始
  • フェーズ2:2019年天然ガス生産開始
  • フェーズ3:2022年天然ガス生産開始予定
  • フェーズ4A:2020年に認可。

緻密に計算されたプロジェクトを段階的に遂行することで、長期的に天然ガス生産を行うことができ、東南アジアのエネルギー供給を担っていると言えるでしょう。

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Hesの決算

ここで、Hesの2022年第3Qの決算についてまとめておきます。

  • 売上高 $2.91B → $3.16B ⭕️(前年同期比+74.6%
  • EPS $1.89 → $1.89
  • 純生産量(リビアを除く):351,000バレル/日 (前年同期比+32%

2022年通年ガイダンス

325,000バレル/日を予想。

石油需要は依然強い状態が続いており、コロナ前の約1億バレル/に戻っているが、石油供給はコロナ前よりも3億バレル減少している状態が続いているとのこと。

また、決算の要点部分は以下の通り。

  • 2021年〜2026年にかけてキャッシュフローが年平均約25%増加。
  • 今四半期に$150Mの自社株買いを実施。来期には$310Mの自社株買いの予定。
  • 10月26日、スターブローク鉱区にて、新たな掘削地点を2つ発見。回収可能推定値は数十億バレルとのこと。

Hesの業績

売上高及び売上高成長率

以下の図は、売上高成長率及び売上高のグラフです。

コロナ後の業績ですが、売上高成長率及び売上高が右肩上がりに成長していることがわかります。特に2021年から石油価格の高騰を受け、加速度的に成長していることがわかります。

四半期EPS

続いて、四半期EPSのグラフです。

2021年を境に四半期EPSがプラスとなっています。2021年はエネルギー銘柄にとって、恩恵を被った年であり、Hesも同じく恩恵を被ったと言えます。2022年から$1を超え、かなり利益が出ていることが伺えます。

Hesの株価

ここで、Hesの株価に注目してみます。

右肩あがりのチャートを形成しています。2014年の高値を綺麗にブレイクアウトし、高値を更新しています。(2022年11月1日時点)

Hesのリスク要因

ここからは、投資を行う上でHesのリスク要因を挙げていきます。

石油価格に左右されやすい

Hesはシクリカル銘柄であり、石油生産をメインに行っている企業であるため、石油価格に左右されやすいです。

こちらは、原油価格のグラフです。

https://fred.stlouisfed.org/series/DCOILWTICO

2月7日時点で$91.25の値をつけています。これは2014年以来の高値であり、石油銘柄については、石油価格と比例的に株価が上昇しやすいです。

石油価格が上昇している理由として、消費者物価指数が上昇しており、インフレーション、すなわち景気が加熱していることが挙げられます。他にも、原油国であるロシアとウクライナの情勢が不安定であることも原因の一つと言えます。

これらのことが意味することは、企業の業績以外の外部的要因により株価が左右されやすいことが一つのリスクと言えます。

割高で取引されている

Hesは割高で取引されています。割高で取引されていることを確かめる指標として、PER(株価収益率)というものがあります。

PER(株価収益率):1株あたり純利益の何倍まで買われているかを示す指標。高いほど割高

次の表は、他の石油生産を行っている企業のPER(株価収益率)を比較したものです。(TradingViewから引っ張ってきたものなので正確な数字ではないかもしれません)

PER(株価収益率)
HES(ヘス・コーポレーション)51.13
XOM(エクソンモービル)14.50
CVX(シェブロン)16.73
EOG(EOGリソーシス)21.79
BP(BP)14.77

Hesが割高で取引されている理由として、他企業と比較して長期的に生産可能な油田を保有していることから、投資家の期待が大きいことが一つとしてあげられます。

ただし、裏を返すと、ガイアナ油田の計画がうまく遂行できないなどHesの石油生産に翳りが見えると、一気に売られる可能性があります。また、石油価格の暴落など外部的要因により石油セクターが売られる局面でも注意を払う必要がありそうです。


総括

今回は、Hes(ヘス・コーポレーション)という石油生産企業を取り上げてみました。

石油関連の企業を取り上げた理由として、2021年からアメリカの指数であるS&P500を大きくアウトパフォームして、今年の難しい相場も乗り越えているため、注目に値すると感じたからです。

また、その中でも堅牢なポートフォリオかつ世界最大級のガイアナ沖での油田発見で注目を浴びているHesを取り上げてみました。

この記事を機に石油企業に投資も一案として考えてみるのもいいかもしれません。

ではでは。

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