こんちゃす!20代ひよっこ投資家るしふぁー(@rushifer_hiyoko)です。
今回紹介する銘柄は、TKタンカーズ(TNK)という銘柄です。
アメリカのタンカー銘柄で、2022年に入ってから注目を浴びています。
- 1973年に設立されたTKタンカーズ(TNK)は、中型タンカー(Suezmax、Aframaxなど)を保有している。
- TKタンカーズ(TNK)が取り扱っているタンカーの種類は、原油タンカーとプロダクト(石油精製品)タンカー。
- 2022年第2四半期売上高$279.3M(前年同期比+141.7%)
- 2022年第2四半期EPS(一株あたり利益)$1.7、PER(株価収益率)5.9倍。(2022年12月11日時点)
- 2022年7月に2005年製のAframaxを約$25Mで売却する契約成立。
利益もきっちり残すことができているタンカー業界は、8月20日時点でPERは10倍以下で、割安であると言えます。
タンカー銘柄の関連として、エネルギー株などの記事は、以下より確認することができます。
【銘柄分析】インフレ・金利上昇局面にも強い!おすすめエネルギー株3選!!
【銘柄分析】Hes(ヘス)ガイアナ沖で世界最大級の油田発見??大手石油掘削企業!!
今記事では、タンカーについての説明及びTKタンカーズ(TNK)の銘柄分析記事について紹介していきます。
石油タンカーについて
原油タンカーとプロダクト(石油精製品)タンカー
石油タンカーは、原油タンカーとプロダクト(石油精製品)タンカーの2つに分類されます。
- 原油タンカー:原油を輸送する船舶のこと
- プロダクト(石油精製品)タンカー:石油精製品を輸送する船舶のこと
石油精製品は、ガソリン・灯油などの白物と重油・潤滑油などの黒物の2つに大別されます。
原油やプロダクト(石油精製品)を輸送する石油タンカー以外にも、液化天然ガスのを輸送するLNGなどもあります。
左の写真の原油タンカーは、右の写真の石油製品船と比べてもかなり大きいね。ところで、VLCCって何だろう。
VLCCは、タンカーをサイズ別に分類した時の呼び名だよ。
次に、タンカーのサイズについて言及していくね。
タンカーのサイズについて
原油タンカーのサイズは以下の5種類に大別されます。
- ULCC(Ultra Large Crude Carrier):32万t以上のタンカー
- VLCC(Very Large Crude Carrier):20万t〜32万tのタンカー
- SUEZMAX:12万t〜20万tのタンカー、スエズ運河を通過することができるタンカー
- AFRAMAX:8万t〜12万tのタンカー
- PANAMAX:6万t〜8万tのタンカー、パナマ運河を通過することができるタンカー
プロダクト(石油精製品)タンカーのサイズは以下の3種類に大別されます。
- LR2船:80,000〜159,999dwtのタンカー
- LR1船:45,000〜79,999dwtのタンカー
- MR(Medium Range)船:25,000〜44,999dwtのタンカー
TKタンカーズ(TNK)とはどんな会社?
TKタンカーズ(TNK)とは?
TKタンカーズ(TNK)は、原油やプロダクト(石油精製品)を輸送するタンカー会社です。主に所有しているタンカーの種類として、原油タンカーではSUEZMAX、AFRAMAXの中型タンカー、プロダクト(石油精製品)タンカーでは、LR2船の大型タンカーを保有しています。
TKタンカーズ(TNK)の保有しているタンカーについては以下の通りです。
Fixed-rate | Spot-rate | 合計 | |
VLCC タンカー | 1 | 1 | |
SUEZMAX タンカー | 25 | 25 | |
AFRAMAX タンカー | 1 | 10 | 11 |
LR2 プロダクトタンカー | 9 | 9 | |
合計 | 1 | 45 | 46 |
さらに、チャーターしているタンカーがAFRAMAX タンカー3隻、LR2 タンカー1隻があります。
TKタンカーズ(TNK)のRSA(収益分配契約)
TKタンカーズ(TNK)は他社とRSA(収益分配契約)を結んでいます。RSA(収益分配契約)は、Revenue Shara Agreementと訳され、単に支払い枠が固定されている委託契約ではなく、パートナーと連携し、リスクを共有しながら、相互の協力で生み出した利益を適切な配分率で分け合おうという考え方です。
TKタンカーズ(TNK)のRSA(収益分配契約)に参加している主な会社は8つあり、58のタンカーに及びます。
また、RSA(収益分配契約)に参加すると、以下のメリットがあります。
また、TKタンカーズ(TNK)のコマーシャル・オペレーションは、ロンドン・ヒューストン・シンガポールにオフィスを構え、45年以上にわたりオペレーションと航行管理を行っています。全ての航海、運用、請求に関する問題について、24時間体制でサポートを行っています。
TKタンカーズ(TNK)とオーストラリアの政府契約について
TKタンカーズ(TNK)は、オーストラリアとの政府契約に基づいて、さまざまな船舶に船舶運行サービスを提供しています。
サービス内容は以下の通り。
- 5Defense Marine Support Services Program(オーストラリアの防衛海洋支援サービス)契約下で管理される。
- オーストラリアの国境警備隊「オーシャンシールド」
- オーストラリアの海上安全局の緊急曳航船「コーラルナイト」
オーストラリアとの政府契約下で、エンジニアリング・メンテナンス・供給・乗組員のトレーニングのサポートなどを提供しています。
TKタンカーズ(TNK)の業績
2022年第3四半期
まず、決算の結果について、見ていきます。
- 売上高 $157.49M → $279.3M(前年同期比+141.7%)
- EPS $1.56 → $1.70 ⭕️
それぞれのスポットレート(2021年第4四半期から決算発表まで)
- Suezmax:$40,000/日
- Aframax:$36,600/日
- LR2:$44,700/日
売上高は驚異の前年同期比+141.7%です。EPSもきっちり予想を超えています。
また、スポットレート(数値が高い方がいい)が前四半期と比較し、大幅に上昇しています。
上記の図より、スポットレートがうなぎ上りであることがわかります。中型タンカーのスポットレートは、2008年第3四半期以来の高水準となっています。要因は、ロシアの石油輸出がヨーロッパからアジアに変更されたことやヨーロッパ諸国がロシアの石油価格を再設定したことなどが挙げられます。
ロシアからの石油輸入経路について、ヨーロッパが海上輸入を禁止しました。このため、ロシアからヨーロッパへの近距離輸送が減少し、ラテンアメリカや西アフリカ、中東などの長距離輸送が増加していることがわかります。上記図の上段チャートから、長距離輸送が増加している途中であるため、さらにTKタンカーズ(TNK)に恩恵をもたらす可能性があります。
また、ロシアはヨーロッパの代わりに石油輸入先をインドや中国、他地域のアジアなどから探す必要もあります。下段のチャートにそれらの地域から石油を輸入することで、増加するTKタンカーズ(TNK)のTマイルの利益が記載されています。
売上高・売上高成長率
次に売上高・売上高成長率を見ていきます。
2021年前半までの低迷期を乗り越え、右肩上がりに上昇しています。
これからのタンカー需要に期待したいです。
EPS(一株あたり利益)
続いて、EPS(一株あたり利益)を見ていきます。
2022年に入り、急激に改善していることがわかります。タンカー市況が改善に向かっていることがわかります。
営業キャッシュフロー
次に、営業キャッシュフローについて、見ていきます。
こちらも、2022年に入り、右肩あがりに上昇しています。
TKタンカーズ(TNK)の株価
最後に、TKタンカーズ(TNK)の株価を見ていきます。
2022年に入って右肩上がりのチャートを形成しています。好調な業績を反映したいい形です。(2022年12月11日現在)
最後に
今回は、タンカー銘柄であるTKタンカーズ(TNK)を紹介してみました。
2022年に入って、タンカー市況は好調な波が続いています。インフレが続き、不調な株が多い中で、業績をきっちり残せているTKタンカーズ(TNK)は注目に値しそうです。
少しでも、興味を持った方については米国株をメインに取引ができるサクソバンク証券で購入を検討してみてもいいかもしれません。
ではでは。
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