こんちゃす!20代ひよっこ投資家るしふぁー(@rushifer_hiyoko)です。
今回は、Palantir(パランティア)という銘柄を取り上げていきたいと思います。
この企業は、ビッグデータを用いることで、組織の意思決定や運営を効果的に統合することを手助けする企業です。

ビックデータ??組織の意思決定??
なんだか難しそう、、、

ビッグデータとかなんだか難しそうだよね。
事例を紹介しつつ、今回の決算と合わせて紹介していくよ。
- 2021年度の売上高は$1.54Bで、前年と比較して売上高成長率+41%を記録。
- 2022第1Qの売上高成長率は前年比+31%の$446M。
- 長期的な見通しとして、今後4年間は売上成長率30%以上を維持
- 来季の営業利益率は+20%以上を維持
今決算のカンファレンスコールより抜粋です。
以下、参考文献を載せておきます。
ここで参考までに、他銘柄の分析記事も載せておきます。
【銘柄分析】ズームインフォ(ZI)将来性有望な営業促進クラウド企業!!
【銘柄分析】d Local(ディーローカル)新興国に革新をもたらす決済プラットフォーム!!
【DDOG/銘柄分析】Datadog システムのモニタリングサービスを提供するクラウド企業!!
それでは、Palantir(パランティア)を紹介していきます。
Palantirについて

Palantirの事業内容
Palantir(パランティア)は、ビッグデータを利用することで、円滑な組織運営や意思決定を可能とする先進的プラットホームを構築するソフトウェア企業です。
顧客は、政府機関をはじめとし、民間企業や非営利団体など多岐に渡ります。これまでは、政府部門でのビジネスが中心でしたが、2021第3Qにて、商業部門の売上も大きく伸びたことが印象的でした。

ここで、ビッグデータについて、明確に定義づけしておきます。
ビッグデータとは、様々な形をした、様々な性格をもった、様々種類をもったデータのことを指します。文字通り量が多いデータという意味も含まれますが、明確な定義というものはないものの、ビッグデータには以下の3つの特徴があるようです。
- データの量(Volume):文字通り量が多いこと。多量のデータ。
- データの種類(Variety):様々種類・形式を含む非構造化データ、非定型化データ。
- データの発生頻度・更新頻度(Velocity):日々膨大に生成、記録される時系列性・リアルタイム性があるもの。
例も示しておきます。

人の力のみでは今まで管理することができなかったビッグデータを記録、保管をし即座に解析することで、新たにシステムや仕組みを生み出したり、組織の効率的運営に繋げようと試みている企業がPalantirです。
Palantirの導入事例

ビッグデータのことは分かったけれど、
まだ理解するのは難しいな。

私も理解するまで、とても時間がかかったよ。
ここでは、まず導入事例を紹介するよ。
ここでは、実際にPalantirの導入例をいくつか紹介します。少しでもイメージを抱いてもらえれば嬉しいです。
大きく政府部門と民間部門の2つに分かれます。
【政府部門】
○神奈川県で新型コロナウイルス感染症対策の加速化のためPalantirのソフトウェア(Foundry)導入
まず、日本の導入事例です。
神奈川県では、ワクチン接種管理や感染状況に基づく政策判断のため、Palantirのソフトウェア(Foundry)が採用されています。これまでは、データが個別に管理されていることが障害でしたが、Foundryにより、スピーディーに統合集約及び分析することが可能となり、業務での活用を容易にすることが可能です。
他にも、政府部門では以下の導入事例があります。
- 米国陸軍、沿岸警備部門との契約:2年間で$100Mの契約も。敵を圧倒するためのデータ活用。AIによる意識決定促進。
- 米国保健社会福祉省と新規契約(2021Q3発表):医療・福祉政府機関への新規導入。
- 空軍との契約(2021Q3発表):アフガニスタンでの非戦闘員の避難活動を可能にするため英国国防省からの要請。
政府機関では、防衛・医療の各機関への導入に積極的です。
【民間部門】
○暗号通貨管理での導入事例
管理が複雑な金融分野においても、Palantirのソフトウェアが導入されています。昨今の暗号通貨の流行において、Palantirのソフトウェアの導入によりマネーロンタリング防止や不正検出などの効果をもたらします。
○DataRobot社と新たなパートナーシップを締結
DataRobot社はPalantirのソフトウェアを導入することで、需要予測を適切に行うことを目的としています。サプライチャーンマネジメントにおいて、最新の機械アルゴリズムを導入することで、商品の補充計画を最適化することが可能です。
これは、小売業界に革新をもたらし、在庫切れによる売上損失の低減及び倉庫管理コストの削減につながると言われています。
他にも以下の導入事例があります。
- 鉱業分野(リオ・ティント社):地質の状態測定し、従業員の安全確保。
- 宇宙分野:300機以上からなる衛星からなるメタコンステレーション(衛星の運用方法を根本的に変え、AIを活用した基本的なリンク)を形成。→山火事の分布や気候変動による作物の影響などを調べることができる。
- 自動車分野:レースで使用される車を速く走行させる手段として、膨大な量のデータを分析することで、最適解を見つけることが可能。

Palantirは政府部門・民間部門問わず様々な
場面で使われているね。

そうだね。Palantirのビッグデータ解析ツール
が様々な場面で役立っていると言えるよ。
Palantirの事業モデル

ここから、Palantirの事業モデルについて紹介していきます。主にFoundry(ファウンドリ)、Gotham(ゴッザム)、Apollo(アポロ)の3つとなります。(この辺りは難しいので読み飛ばしても大丈夫です。)
Foundry(ファウンドリ)
Foundry(ファウンドリ)は、アプリケーションについて、データ統合から意思決定の促進まで数時間で可能なプラットホームを構築します。
データの集中管理システムを構築することで、組織の運営方法を変革します。
Foundryの特徴は以下の通りです。
- SDDI(Software Defined Data Integration):システムからデータのパイプラインを数時間から数日で構築。これにより手作業部分を自動化
- シュミレーション:生産、収益性、コスト削減など最適化する基準を継続的に定義付けをし、達成目標を満たすための効率的な手段の決定
- オペレーション:企業全体のデータ資産を、運用しているアプリケーションに柔軟に構成できるように統合
- AL/MLモデル:データの基盤にAL/MLモデルを配置、ユーザーの決定とフィードバックに基づきモデルを継続的に改善
Gotham(ゴッザム)
Gotham(ゴッザム)は、防衛関連において、政府向けに開発されたツールです。きめ細やかなセキュリティ管理を実施しつつ、既存の政府システムと接続することが可能です。
接続をすると、最新のデータを既存システムで利用することが可能となります。

以下のURLから、Gotham(ゴッザム)について、見ることができるよ
https://www.palantir.com/platforms/gotham/
Apollo(アポロ)
Apollo(アポロ)は、セキュリティやプラットホームの構成を継続的に集中管理するためのツールです。重要なシステムを24時間365日最新の状態に保てるように運用します。
Apollo(アポロ)は、米国国防省によって国家安全保障システム(IL5)に認可された製品の一つです。
Palantirの企業業績
続いて、Palantirの企業業績を見ていきたいと思います。まず、2022年第1Qの決算の内容から。(「予想」→「結果」)
売上高はかろうじてクリア。目標の30%に達しました。
しかし、EPSはショートしてしまった決算となっています。前回の決算に引き続き利益がきちんと残せていない印象です。また、ガイダンスもミスしてしまったこともかなり痛いです。
総顧客数が順調に増加しています。今期のみで40の顧客が増加しています。

粗利益も80%以上を維持しています。

民間売上部門は、前年同期比+54%とそこそこ良かったです。

2022年第1四半期の決算は、かなり厳しい印象でした。顧客数の伸び及び粗利益は申し分ありませんが、EPSなど純利益を伸ばすことができておらず、これからの見通しに不安の残る決算と言えます。
続いて、Palantirの売上高及び前年同期比の売上高成長率の推移を見ていきます。

売上高は綺麗な右肩上がりです。売上高成長率は目標の30%をクリアしてるものの、若干の鈍化が見られます。
続いてEPSのグラフです。

最近EPSは横ばいです。今回の決算は前回と引き続き良くなかったです。
ここでまとめておきますと、
- 決算の見通しは売上高のみ予想を上回り、EPS及びガイダンスは予想を下回る。
- 民間売上部門前年同期比+54%成長。
- 2022年第2四半期の営業利益率+20%予想
- フリーキャッシュフローは$30Mで、7%のマージンを確保。
Palantirのリスク要因
Palantirのリスク要因を述べておきます。以下の3つです。
- 中国とはビジネスをしない方針であるため、成長見通しの制限の可能性
- 事業の大部分は政府部門の販売に依存しており、契約の変更及び財政政策の変更による影響
- AWSやマイクロソフトのAzureなどのクラウドプラットホームに依存。これらのプラットホームの仕様の変更及びパフォーマンスの悪化による悪影響
リスク要因のうち、1つ目の「中国とはビジネスをしない方針であるため、成長見通しの制限の可能性」に触れておきます。
Palantirは、政府機関を相手に機密情報や防衛関連のデータを多く取り扱います。これは、犯罪捜査や国防において多大な貢献をしています。噂によれば、ビンラティンの捜査にも使われたと言われています。(これは明確にPalantir側も否定しています。)
このように、テロリストの追跡などにも利用価値があるため、民主主義と対極に位置する中国とビジネスを行わないわけです。
Palantirは、情報の不正利用などの個人データの取り扱いについて、かなり厳格な態度を示しています。(Googleなどのシリコンバレー企業の個人情報利用に関して懐疑的な立場を示している。)
こういった企業的背景から、中国がこの企業にどう影響を与えるかは注視する必要があります。
Palantirの株価
最後にPalantirの株価を確認しておきます。
ついに$8と一桁になってしいました。今回の決算で-15%の下落から、さらに下落しています。
金利上昇局面の上、リセッション懸念で、かなり売られています。ハイパーグロース株の洗礼を受けています。
最後に

今回は、Palantirという昨年秋にIPOしたばかりの企業を取り上げてみました。
ビジネスモデルは理解するのに難しいものの、調べてみてて楽しかったです。
まだまだ上々間もない企業のため、マクロ要因の悪化で思いっきり影響を受けていますが、これからの成長が楽しみでもある銘柄です。
ぜひ、Palantirも投資検討してみてください!
ではでは。
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