こんちゃす!20代ひよっこ投資家るしふぁー(@rushifer_hiyoko)です。
ここ最近、特に自分のポートフォリオがグロース株を多く占める読者は、株価の急激な下げに焦っている方もいるのではないでしょうか?
米国では、インフレーションによる物価高騰を受け、市場は不安定な状態が続いています。そんな中、インフレにも強い銘柄(エネルギー株)を紹介していきたいと思います。
エネルギー株の特徴3選を説明する前に、あらかじめ以下の流れで記事を書いていきたいと思います。
米国の経済的背景 → エネルギー株の特徴 → エネルギー株3選
ちなみに、紹介するエネルギー株は以下の通りです。
- XOM(エクソンモービル)
- EOG(EOG リソーシズ)
- PXD(パイオニア ナチュラル リソーシズ)
また、別のセクター及び銘柄は他記事で紹介しています。
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米国の経済的背景
まずは、米国経済の背景を説明していこうと思います。結論から言うと、インフレ化の趨勢が強まっていると言えます。
アメリカでは、食料品やガソリン価格が急激に上昇し、低所得者層を中心に生活に困っているといったニュースもよくみられます。
以下の図は、CPI(消費者物価指数)の前年比増加率のグラフとなります。
2020年のコロナショックを機に、インフレ率が増加していることがわかります。この要因として、コロナから急速な経済回復を目指すため、テーパリング(債権買い入れプログラム)により、市場に資金を注入し、お金をジャブジャブにしてきた背景があります。
11月の消費者物価指数は前年比6.8%増加しています。これは、1980年代以降最高値を記録しています。市場参加者の間ではインフレーションの懸念が強まっています。
12月15日のFOMCにて、市場のインフレ化を抑えるため、FRBはテーパリングの縮小を早めること及び2022年の金利引き上げを急ピッチに行うこと(2022年は3回引き上げ予定)が決定されました。
これにより、市場に溢れている資金量の上昇が頭打ちとなり、金融引き締めへの流れとなります。
FOMCの重要論点は以下の通り。
- テーパリング加速。終了時期は2022/6→2022/3に
- 労働市場は堅調&インフレ圧力増加→経済は量的緩和を必要としていない
- 高インフレは食料・住居の必需品コスト上昇→低所得者は対等できない可能性
- インフレは幅広いモノ・サービスに波及
- オミクロン株は経済の予想にリスクを与える
これらのことから、金融相場→業績相場へのバトンタッチが行われます。こういう局面では、利益の残せない会社は厳しい経営を強いられる可能性があります。
エネルギー株の特徴
エネルギー株の特徴として、以下のものがあります。
- 金利上昇局面に強い
- 下落局面に市場をアウトパフォームする
- 政治的ニュース、先物価格など他要素の影響を受ける
金利上昇局面に強い
エネルギー株は、金利上昇局面に強いです。
通常、株価は金利が上昇すると下がる傾向があります。理由として、株価=配当÷(割引率-成長率)で表されるからです。ここでの割引率は、金利と同等に捉えてもらって結構です。すなわち、この式の割引率(金利)が上昇すると、分母の値が増加するため、株価が下がると言われています。
特に、金利上昇局面では、資金調達が難しくなるため、赤字企業のグロース株などが大きく影響を受けると言われています。
一方、エネルギー株はインフレに強いため、金利が上昇しても株価の影響を受けづらいです。エネルギー株がインフレに強い理由として、消費者に価格転嫁しやすいことが挙げられます。
消費者に価格転嫁しやすい…??
例を挙げると、ガソリン価格があるよ。140円、150円、160円と値上げりすると、消費者を圧迫するよね。
これを、消費者に価格転嫁しやすいと言える例だよ。
下落局面に市場をアウトパフォームする
エネルギー株は、市場の全体が下落している時に強いパフォーマンスを発揮します。
過去のS&P500下落局面のうち、S&P500エネルギー指数と比較した図は以下の通りです。
上記の図より、S&P500が下落局面のとき、エネルギー株のパフォーマンスはプラスで推移していることがわかります。また、S&P500のリターンが10%以下のとき、エネルギー株のパフォーマンスが12.7%とすこぶる調子がいいです。
2022年が下落相場となるかはまだ不透明ですが、インフレ率が上昇し、金利を引き上げ金融引き締め局面に入ることから、エネルギーセクターが見直される可能性もあることも考慮に入れる必要があります。
政治的ニュース、先物価格など他要素の影響を受ける
エネルギー株は政治的ニュースや先物価格の影響を受けやすいです。
例えば、石油株は、OPEC(石油輸出国機構)の石油増産ニュースが発表されると、大きく下落する可能性があります。OPECは、石油産出国の利益を守るため、石油の生産量を調整しています。現在は、OPECは増産ニュースは発表しておらず、現状の生産量を維持する方針を打ち出しています。
一方、石油不足の対策として、米国や日本を含む先進国は、石油の備蓄放出をするニュースが発表されました。これらニュースの動向もテェックする必要がありそうです。
また、石油株は先物価格(原油価格)の影響をもろに受けます。原油価格の上昇とともに、石油株も上昇しやすいです。逆も然りです。
別の例では、銅や鉄鉱石などは、中国経済の影響を受けるなど特定の国の経済状況の影響を反映する例もあります。
おすすめのエネルギー株3選
ここからは、おすすめのエネルギー株を3つほど紹介していきます。
XOM(エクソン・モービル)
XOM(エクソン・モービル)は、世界最大の石油・天然ガス事業を行うエネルギー事業の会社です。200国以上で事業展開しており、38の石油精製所を展開しています。近年では、南アメリカで油田開発が盛んに行われており、生産量の増加が期待されています。
ここでは、XOM(エクソン・モービル)の基本情報をまとめておきます。
- 1984年より連続増配中。73年間減配したことない優良株
- 2021年第3Qより黒字転換。原油価格上昇により業績回復
- 売上高 $73.79B(+57.3%)EPS $1.58
また、XOMの事業は上流部門から下流部門まで幅広くエネルギー事業を行っています。
- 上流部門:石油・天然ガスの生産・採掘
- 下流部門:石油製製品の製造・販売
- その他化学部門
事業の割合は、下流部門の割合が約80%を占め、残りの上流部門、化学部門が10%ずつくらいです。事業割合は下流部門が多くを占めるも、エクソン・モービルの純利益は、上流部門のみで60%を占めます。
また、近年、再生可能エネルギーの移行が進んでおり、エネルギー需要の観点からいうと石油事業を行っているエクソン・モービルは逆風です。しかし、株主の圧力もあり、再生可能エネルギーの事業も行うことをエクソン・モービルは視野に入れているようです。
XOM(エクソン・モービル)の株価(2021年12月23日時点)は以下の通りです。
コロナ以降の株価を取り戻しておらず、出遅れ銘柄となっております。
EOG(EOG リソーシズ)
EOG(EOG リソーシズ)は、アメリカとカナダを中心とした石油・天然ガスの採掘、開発、生産、販売を行っている企業です。また、コストを最大限に抑えてシェール生産も行っています。
営業キャッシュフローも潤沢で、フリーキャッシュフローの負債の返済、自社株買い、配当の増額に意欲的に取り組むようです。
2020年のEOG リソーシズの状況をまとめておきます。
- 石油価格が不安定な状況で、供給過剰になっている場面でも、$1.6Bのフリーキャッシュフローを生み出した
- 3年連続で配当増加(少なくとも増加率+30%)
- テキサス州南部ドラドで1,250の掘索場所を追加
EOG(EOG リソーシズ)の株価(2021年12月23日時点)は以下の通りです。
2021年は、右肩上がりのチャートです。抵抗ラインがコロナ前の株価水準までないため、一気にあげてほしいです。
PXD(パイオニア ナチュラル リソーシズ)
最後は、PXD(パイオニア ナチュラル リソーシズ)です。
この企業は、テキサス州西部で、シェールオイルを生産している企業です。テキサス州西部は、広大な起伏の多い地形で大型の油田が2つほどあります。
ところで、シェール開発について、詳しくない人もいると思うので、ここでまとめておきます。
シェール開発は、地面を垂直に5000メートルほど掘り進め、その後、自走ドリルに切り替え水平に3000メートル掘り進める技術です。この開発技術は、ハイテク技術を要し、かなりの経験値が必要です。
ハイテク技術を要するシェール開発を積極的に行っている企業がPXD(パイオニア ナチュラル リソーシズ)です。
PXD(パイオニア ナチュラル リソーシズ)は、バランスシートは健在そのもので、営業キャッシュフローの50〜60%を再投資をしています。また、フリーキャッシュフローの80%を株主に還元することを発表しています。
PXD(パイオニア ナチュラル リソーシズの株価(2021年12月23日時点)は以下の通りです。
今回、紹介したエネルギー株3選の中で、一番コロナ前の水準に戻りそうな株価チャートをしています。
今後の株価推移に期待ですね。
最後に
2020年はどの銘柄を買っても儲かる相場、2021年はVTIなどの指数を買えば儲かる相場でした。しかし、2022年はどの銘柄が、どのセクターが、どの指数が儲かるか不透明な難しい局面を迎えています。
そんななか、米国経済は堅調なものの、インフレが強まりテーパリング及び金利上昇を示唆しており、不安感が残る相場環境になりつつあります。
そこで、エネルギー株の投資といった一案を提案することで、株価が上昇するとは限らないけれど、少しでも読者が興味・関心を持ってもらい、投資環境に身を置くにあたり一助となれたらという思いで執筆をしました。
私も勉強しつつかつエネルギー株を保有する身として、読者のあなたと共に切磋琢磨をし、この環境を乗り越えていきたいと考えてます。
少しでもこの記事が参考になれば、嬉しいです。
ではでは。
※あくまでも、ここで紹介する金融商品を投資するにあたって元本を保証するものではございません。
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