こんちゃす!20代ひよっこ投資家るしふぁー(@rushifer_hiyoko)です。
今回は、当ブログで、初めての試みである銘柄分析をしていきます。
今回取り上げる銘柄は、d Local(ディーローカル)という銘柄です。この銘柄は、新興国での決済をスムーズにしてくれるペイメント・ソリューション企業です。
- 2022年の第2四半期売上高は$101.18M、前年比較で+72%を記録。
- 2022年の第2四半期の営業利益は$35.1Mで前年同期比+35%を記録。
- NRR(売上継続率)は+157%と3桁を維持。
- TPV(決済合計額)は、2022年第2四半期で、$2.43Bで前年同期比+67%を記録。(前期比+16%)
- d Local(ティーローカル)のサービスの利用国は35カ国から37カ国に増加。
夢がある会社です。
それでは、d Localについて、紹介していこうと思います。
d Localはどんな会社?
d Localについて
d Local(ディーローカル)は、新興国市場でオンライン決済をスムーズに行うために、ソルーションを提供している会社です。
例えば、YouTubeでの投げ銭を例に挙げると、日本で言えば、簡単に投げ銭が可能ですが、新興国では、新興国通貨の交換比率は悪く難しいです。それをスムーズにかつローコストで換金してくれるのが、d Local(ディーローカル)です。
新興国市場において、支払いの複雑さをより簡単にし、先進国市場の水準を目指します。
d Localは、中国を除く国でサービスを提供しており、約20億人のインターネットに恩恵をもたらしています。
なお、IPOの引き受け幹事は、以下の通りです。
- JPモルガン
- ゴールドマンサックス
- モルガンスタンレー
- シティグループ
- BofA
などなど
錚々たるメンバーです。
また、南アメリカやアフリカ、アジアを中心とした700を超える決済方法に対応してることも、魅力の一つです。
決済方法の内訳のグラフ(右のグラフ)を見てみると、さまざまな業種の会社が存在しており、TPV(決済合計額)が20%を超える業種はありません。
国単位で見てみると、d Localのサービスはコートジボワールとルワンダが新規で開始され、現在37ヵ国で利用されています。
地域別の売上高成長率を見ていきます。アジアは前年同期比+63%、アフリカは前年同期比+155%と特にアフリカでの売上高成長率の伸びが顕著であると言えます。
他企業との連携
d Localは、SaaS、オンライン小売、金融、旅行関連など様々な企業と連携をしています。
アマゾンやマイクロソフト、スポッティファイ、ウーバー、ZARAなどの大型企業をはじめ、最近IPOをしたディディ(Didi)などの顧客と連携をしています。その数、なんと330以上の他企業と連携しています。
主なビジネスの例を取り上げると、
収益モデル
d Localの収益モデルは、連携している企業からの手数料です。新興市場の国境を超えたローカル決済の支払い処理に対し、企業に手数料を請求するといった収益モデルです。
つまり、利用者及び連携企業の増加が、収益の増加につながりそうです。
手数料について、承認された取引に対し、定額もしくは定率で算出されます。
決済する人が増えれば、比例して手数料が増えそう!
TPV(決済合計額)が前年比60%以上とかなり増加
してるから、今後も手数料収入は増えそうだね。
d LOCALの事業内容は何?
ここからは、d Localの事業内容を紹介していきます。
○ペイイン
新興国市場の利用者は、実際に連携している企業へ、お金を支払うことができます。支払い方法は以下の通りです。
- 現金支払い
- デジタルウォレット
- 銀行振り込み
- モバイル決済
新興国市場でのローカルな決済方法をほとんどカバーしており、新興国ユーザーの95%にアプローチすることが可能です。
例えば、ナイキの靴を購入したいというときも、高額な交換比率で、現地の通貨をドルに交換することなく、先進国と同様に決済が可能ということです。→現地通貨をそのまま利用可能。
○ペイアウト
提携企業から利用者の登録口座へお金を支払うことができます。なお、国境を超えた振込も行うことができ、数時間で可能です。
主な手順は以下の通り。
- 資金の収集・追加:d Localにて、提携企業からお金を受け取るかd LOCALのアカウントにお金をチャージ。
- 指示:API(ソフトウェアやプログラムを繋ぐインターフェイス)を通じ、d Localに支払いを行うよう指示。
- ユーザーへの支払い:d Localは、提携企業のアカウントから、利用者の口座へ資金の移動。
- 支払い通知:API経由で支払いの完了通知が送られる。
APIの概念がわかりにくくて、ごめんなさい。
なお、さまざまなコンプラアンス要件や規制の変動、支払いができないことなどに対応するため、現地の専門家チームと協力し、リスク管理を行なっています。
○プリペイドカード
プリペイドカードを利用して、支払いを簡単にすることができます。もちろん、現地通貨で発行することも可能です。
アフリカやアジア、ラテンアメリカなど数百万人の利用者が使うことができます。
主な用途として、食料品や製品の購入をはじめ、公共料金の支払いや、家族や友達への送金も行うことができます。
まるで、日本にあるクレジットカードのようです。
d Localの企業業績
次は企業業績を見ていきます。
- 2022年第2Q決算
- 売上高
- EPS(一株あたり利益)
- 粗利と粗利益率
- 売上継続率
2022年第2Q決算
まず、2022年第2Q決算について確認していきます。
2022年第2Q決算
- 売上高 $98.53M → $101.18M ⭕️(前年同期比+72%)
- EPS $0.1 → $0.1 ▲
今決算は売上高はクリア、EPSは予想に一致です。金融引き締めによる金利上昇中で、決算をミスしているグロース株が多い中、健闘している企業と言えるでしょう。
売上高
続いて、売上高推移についてみていきます。
売上高は右肩あがりに上昇しています。売上高成長率(YtoY)も二桁台の72%と鈍化していますが、依然高い成長率を誇っています。
EPS(一株あたり利益)
次にEPS(一株あたり利益)です。
ここ一年で、一番いい記録です。ここからさらに伸ばすことができるか注目です。
粗利と粗利率
粗利と粗利率を見ていきます。
粗利も順調に伸ばしています。粗利率はほぼ横ばいです。
売上継続率
最後に、売上継続率を見ていきます。
今期は157%と明確な減速が見られます。2022年第2四半期のカンファレンスコールでは、150%以上を維持するとの説明がありました。
今後の売上継続率は気になるところです。
d Localのリスク要因
これまでは、d Localの良い側面を紹介してきましたが、リスクと思われる負の側面も紹介しようと思います。
・特定の提携企業に収益を依存
直近3ヶ月間の収益を見ると、上位10社のみで51%を占めています。2020年は64%、2021年は73%であったため、徐々に減少しつつはありますが、依然、特定の企業収益に依存していると言えます。
これは、収益の大きい企業の契約の打ち切り、提携企業の取引量減少、提携企業の業績悪化により、d Localの業績に悪影響を及ぼします。
提携企業との契約について、市場のニーズの変化やサービスの変更をする時、手数料の値下げを求めることがあり、主要企業の手数料が下がってしまうと、大きく業績に影響を与えてしまいます。
・それぞれの国の法律の規制の影響
d Localは、南北アメリカやアジア、アフリカなどの30カ国以上でビジネスを展開しています。その中で、それぞれの国の財務省でライセンスを取得しています。
しかし、先進国と比較して、新興国の予期せぬリスクは予想することが難しく、適用される金融サービス規制やコンプライアンス規制に準じてビジネスを継続できるか、完全に保証することはできません。
これらの法律及び規制の範囲と適用における不確実性は、政府の措置の対象となる可能性があります。
・為替レートの変動による業績悪化
基軸通貨である米ドル以外に、アルゼンチンペソ、ブラジルレアル、インドルピー、チリペソなどが通貨リスクに晒されています。過去にも大幅な切り下げが何度もありました。
財務諸表が米ドルであるため、取引結果が米国ドルに換算される場合、業績悪化のリスクにされされる可能性があります。
また、国境を越える取引の場合、現地通貨での支払い取引をする時間の間、急激な為替レートの変化により、提携企業に不利な取引となってしまい、契約打ち切りまたは裁判紛争に発展する可能性もあります。
d Localの株価
最後に、d Localの株価を見ていきます。
2022年からヨコヨコの展開が続いています。8月22日の決算発表を受け、一気に7%下がったところが印象的です。
気づき
今回、IPOをきっかけに知ったd Localですが、ビジネスモデルも新興国市場の人々にフォーカスした決済のビジネスでなかなか面白そうであるし、業績も右肩上がりであるため、注目したい一企業です。
今後、決算に注目しつつ、いずれは投資してみたい企業だと思いました。
ぜひ、少しでも参考になれば、嬉しいばかりです。もし、d Localなどの米国株に投資したい方はサクソバンク証券から口座開設可能です。
ではでは。
※あくまでも、特定の銘柄を推奨するものではありません。
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