こんちゃす!20代ひよっこ投資家るしふぁー(@rushifer_hiyoko)です。
この記事では、アムジェン(AMGN)という会社の銘柄を分析していきます。知らない人も多いでしょうが、アムジェン(AMGN)は、NYダウにも組み込まれている優良銘柄です。
- アムジェン(AMGN)は、循環器疾患、がん、骨粗鬆症など6分野を中心に先進的な医薬品を開発中。
- 2022年第1四半期売上高 $6.6B(前年同期比+1%)、EPS $4.65(前年同期比+6%) を記録。
- フリーキャッシュフローは $1.7B と潤沢。
- 年間配当利回りは約3%前後。利益を残せている上に、積極的な自社株買いも行っている。
- ANCA関連血管炎の薬を開発しているCHEMOCENTRYを買収。
5月21日に、S&P500の株価下落率-20%を記録し、ベアマーケット入りが確認されました。
そんな中、FRBは金融引き締めの手を緩めることなくリセッション入りも辞さないつもりです。
【景気後退】リセッションとは?そして、リセッションに強いセクターを紹介!
そんな中で、利益を残せる&リセッションの影響を受けにくいバイオ企業を一つ紹介してみます。
また、以下の記事で製薬銘柄・ヘルスケア企業について記事を書いています。
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アムジェン(AMGN)とはどんな会社??
アムジェン(AMGN)とは
アムジェン(AMGN)は、世界最大手のバイオ医薬品を開発している会社です。アムジェンは、以下の6つの疾患領域に重点を置いて医療開発しています。
- 循環器疾患
- がん
- 骨疾患
- 神経疾患
- 腎疾患
- 炎症性疾患
アムジェンは、既存の治療法では対処できない特定のニーズに応じた疾患に対応するバイオ医薬品を開発しています。
医薬品を開発していることは分かったけれど、バイオ医薬品ってどういう意味??
確かにバイオ医薬品といっても、想像するのが難しいよね。
次にバイオ医薬品について基礎的な部分に触れておくよ。
アムジェン(AMGN)のバイオ医薬品開発について
基本的なバイオ医薬品の知識について、おさらいをしておきます。
※バイオ医薬品について、詳しい方は飛ばして読んでもらって大丈夫です。
※私は、バイオ医薬品について専門的な知識を有しているわけでは有りませんので、ご了承ください。
バイオ医薬品…遺伝子組み替え技術を用い、細胞を増殖させるなど高度な技術を用いて作られた病気の治療薬。高分子医薬品。
バイオ医薬品は、細胞構築のため遺伝子デザイン→原薬の製造のため細胞培養→製剤・包装と複雑かつ高い技術を用いて作られます。
ここで伝えたいことは、バイオ医薬品は、従来の化学合成で作られる「低分子医薬品」とは違うということです。
一般的に、薬局で処方されるお薬は、化学合成医薬品が多いです。特定の希少疾病などに有効な薬として、今回取り上げているバイオ医薬品が用いられます。
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アムジェン(AMGN)の医薬品
アムジェンのバイオ医薬品について、以下のものが有ります。
ここでみてもらうとわかる通り、様々な医薬品に分散して開発していることがわかります。
ちなみに、競合相手のアッヴィは、免疫系の薬ヒュミラと白血病の薬イブルチニブの2つだけで43.64%を占めます。
・Enbrel(エンブレル)
主に関節リウマチに使われる薬です。販売価格の低下・販売量3%減少したため、前年同期比-8%となっています。
今後、競争激化により販売価格が引き続き低下していくことが予想されます。
・Prolia(プロリア)
骨粗鬆症という骨がもろくなる病気に使われる薬です。販売量が12%増加したことにより、前年同期比+13%と2桁増加を記録しました。
・XEGVA(デノスマブ)
多発性骨髄腫や骨に転移した癌などに使われる薬です。販売価格の上昇及び有利な売上高控除の変更により、前年同期比+9%となっています。販売量は横ばいです。
・TEZSPIRE
重症喘息治療薬として使用されています。2022年第1四半期に初めて売上高が計上されました。売上高は、$7M。そして、第2四半期では、$29Mを記録しました。アレルギー専門医や呼吸器専門医からの需要が強いです。250万人のターゲットが想定されており、幅広い市場拡大の可能性を秘めています。
・LUMAKRAS
遺伝子変異に対応した薬で、がん治療に恩恵をもたらす薬です。売上高は$77Mで前年同期比+24%を記録しています。現在、40カ国以上で承認されています。
他にも、Repatha(心血管疾患の薬)の売上高成長率+14%及び販売量+55%やEVENITY(骨粗鬆症の薬)の売上高成長率+46%の売上高、$191Mで過去最高額を記録するなどアムジェンの成長に大幅に起因している薬などがあります。
アムジェン(AMGN)の業績
ここで、アムジェンの業績を確認していきます。
売上高・売上高成長率
売上高は右肩上がりで順調に成長しています。売上高成長率は、昨年は2.18%で、年によっては鈍化していることがわかります。
EPS
続いて、EPSです。
EPSも右肩上がりで、きっちり利益を伸ばしていることがわかります。
発行済株式数
株式数も減少傾向。自社株買いを積極的に行っていることがわかります。自社株買いは、利益を残せている企業にしかできないことから、株価にはいい影響を与えます。
アップルがよく自社株買いをしているイメージが強いです。
ちなみに、2022年第2四半期決算では、自社株買いを行っていません。
2022年第2四半期決算
最後に、直近の決算について確認していきます。
【2022年第2四半期決算】
- 売上高 $6.53B → $6.6B ⭕️ (前年同期比+1%)
- EPS $4.33 → $4.65 ⭕️
【2022年通年ガイダンス】
- 売上高 $26.23B → $25.5B〜$26.4B ▲
- EPS $17.4 → $17.0〜$18.0 ⭕️
今期決算は無難にクリアです。しかし、ガイダンスの売上高について、コンセンサス予想と比較して、中央値を取ると、$25.95($25.5B〜$26.4Bの中央値)と若干ショートしています。
今期決算で注目したいのは、CHEMOCENTRY(CCLX)の買収です。
CHEMOCENTRYは、自己免疫系疾患であるANCA関連血管炎の薬、TAVNAOS(アバコパン)を開発しています。
ANCA関連血管炎って何??
ANCA関連血管炎は、様々な症状がありますが、発熱や体重減少とともに腎臓の障害や肺の出血、皮疹などが発症されると言われているよ。
TAVNAOS(アバコパン)は、C5a阻害薬と呼ばれる薬で、ANCA関連血管炎の発症要因である好中球の働きを抑え、炎症を抑える薬です。以下、詳しい記事を見つけましたので、参考までに載せておきます。
Dr.医療株の米国株銘柄分析:ケモセントリックス社(CCXI)のANCA関連血管炎に対する治療薬アバコパンの可能性
アムジェン(AMGN)の株価
アムジェンの株価を見ていきます。
2022年に入って株価は右肩上がり、ここ数ヶ月はレンジ相場が続いています。(2022年8月7日現在)
最後に
今回は、アムジェン(AMGN)という米国最大のバイオテクノロジー企業を調べてみました。
バイオテクノロジー企業の中では、業績好調で、このリセッションが近いと言われている相場の中で面白い企業といえます。投資対象が限られてくる中、購入を検討してはいかがでしょうか。
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