こんちゃす!20代ひよっこ投資家るしふぁー(@rushifer_hiyoko)です。
今記事では、リセッションについての説明とリセッションに強いセクターを分析してみましたので、紹介していきます。
そもそもリセッションってどういう意味??
リセッションって言葉に馴染みのない人は多いかと思います。
資産運用する上で必要な知識なので、覚えておきましょう!!
【こんな人に読んでほしい】
- リセッションについて、意味を知りたい人
- リセッションによって市場にどのような影響受けるか知りたい人
- リセッションに強い銘柄は何か知りたい人
資産運用について、以下の記事でさまざまなことを発信しています。
【銘柄分析】インフレ・金利上昇局面にも強い!おすすめエネルギー株3選!!
それでは、リセッションについて、詳しくみていきましょう。
リセッションとは?
まず、リセッションの定義について確認をしていきます。
リセッションとは、景気後退が半年続くことを意味します。明確な基準として、GDP(国内総生産)が2期連続でマイナスになることを指します。
リセッションについて、ウクライナ情勢の悪化により、注目されるようになりました。リセッションが起こると、景気が後退してしまうため、市場環境が悪化することが懸念されます。
リセッションが起きると、市場にどう影響を受けるか検証してみます。
リセッションによる株価の騰落率
過去のリセッションは、1990年以降、過去24回起こっています。以下、SPX(S&P500指数)のリセッション期間の株価の騰落率(初値と終値)をみていきます。
上表を見ると、景気後退を示すリセッションにも関わらず、意外にも下落していない期間もあります。なんと、24回中で下落した期間というのは、11回となります。
驚いたことに、プラスで終えた年が13回もあり、下落した期間の回数を上回っています。
長期投資をしている人は、リセッション期間中も株を持った状態のままでもいいかもしれません。
リセッション期間に上昇する期間があるのは、意外だった…
これだと、ずっと株を持っておけば安心だね!!
それが、そうも安心できないんだ。
次のデータがそれを証明してるよ。
リセッションによる株価の最大下落率
今までは、株価の始値と終値基準でデータをみてきましたが、次は、株価の最大下落率(SPXの期間内での最大値と最小値の差)をみていきます。
1926年10月から1927年11月の期間を除いて、例外なく下落しています。
ここからわかることは、平均下落率が-25.32%と下落幅が多いことが挙げられます。また、特にリセッション期間の前半は下げが強いことが多いです。
リセッションの期間
次にリセッションの期間について、述べていきます。
リセッション期間は平均14ヶ月と言うことがわかりました。表をみてもらえばわかる通り、リセッション期間は、平均的に短くなっているようです。最長期間は48ヶ月の世界恐慌で、4年間もリセッションを脱することができませんでした。
リセッションの特徴とまとめ
ここで、これまでリセッションが起きた主な要因について、見ていきます。
- コロナショック(2020年2月〜2020年4月)
- リーマンショック(2007年12月〜2009年6月)
- ITバブル崩壊(2001年3月〜2001年11月)
- 湾岸戦争(1990年〜1991年3月)
- 第一次オイルショック(1973年11月〜1975年3月)
- 世界恐慌(1929年8月〜1933年3月)
ここからわかることは、感染症や特定の業種の崩壊、そしてインフレ激化によるものや戦争など時代背景に即した様々な要因によりリセッションは発生し、これといって共通部分はないということです。ただ、増減の程度はあれど、どのリセッションも市場参加者の予期しない影響が発生した場合に起きています。
リセッションの兆候を示すものとして、以下のものがあります。
他にも様々な指標がありますが、これらを組み合わせて使うことで、リセッション入りを予期できる可能性があります。もちろん、その時々の時代背景によって、使える指標は変わっていきますが、特に製造業指数の悪化と債権の逆イールド化は景気後退の先行指標として使うことが可能です。
上表は、4月2日時点での10年債利回りと2年債利回りの差を示しています。これが0となった時(上図黒線)となった債権がフラットニングし、マイナスになると逆イールドとなります。特徴として、利回りの差が0となって、約1年〜約2年後にリセッション(上図編みかけ部分)となっていることがわかります。
このグラフ(日足のグラフ)から読み取れることとして、4月1日に一度利回り差が0を下回りました(瞬間的に3月29日時点で0を下回りました。)。これまでの法則で言うと、一定の期間が経つことでリセッションが来る可能性が高いので注意が必要です。
ここで、リセッションについてまとめていきます。
- リセッションとは、GDP(国内総生産)が2期連続でマイナスとなること。
- これまでのリセッションの騰落率(始値・終値で計算)は、24回中13回プラスであり、必ずしも株価が下がるわけではないことから、長期投資であれば投資を続けるのもあり。
- リセッションの最大下落率は平均25.32%でボラリティは激しいため、トレードをする上でのリスクが高い
- リセッション要因は様々なものがあり、予期しない突発的な出来事で起こる。
- リセッションの兆候を示す指標は、様々なものがあり、組み合わせて使うことが大切。
リセッションに強いセクターとは
続いて、リセッションに強いセクターを紹介していきます。
結論は、以下の通りです。
- リセッションに強いセクターは特に決まっていない
- リセッションごとに、その時代背景がセクターのパフォーマンスに影響を与える
それでは、詳しく検証していきます。ここでは、種類の異なるリセッションの中でセクターの強弱についてみていきます。
【コロナショック時】
まず、直近のリセッション時期であるコロナショック時(2020年2月〜2020年4月)の情報をみていきます。
騰落率 | 騰落率 | ||
資本財(XLI) | -21.26% | ヘルスケア(XLV) | -0.10% |
素材(XLB) | -10.32% | 生活必需品(XLP) | -8.12% |
エネルギー(XLE) | -37.13% | 公益(XLU) | -17.12% |
テクノロジー(XLK) | -4.22% | 通信(VOX) | -8.53% |
金融(XLF) | -24.46% | REIT(VNQ) | -18.93% |
一般消費財(XLY) | -7.48% | S&P500 | -9.9% |
強いセクターは、ヘルスケア、テクノロジー、一般消費財で弱いセクターは、資本財、公益、REITとなります。
【リーマンショック時】
続いて、リーマンショック時(2007年12月〜2009年6月)の情報をみていきます。
騰落率 | 騰落率 | ||
資本財(XLI) | -44.62% | ヘルスケア(XLV) | -28.56% |
素材(XLB) | -38.42% | 生活必需品(XLP) | -21.72% |
エネルギー(XLE) | -34.07% | 公益(XLU) | -35.80% |
テクノロジー(XLK) | -30.87% | 通信(VOX) | -35.95% |
金融(XLF) | -61.26% | REIT(VNQ) | -53.20% |
一般消費財(XLY) | -33.81% | S&P500 | -56.24% |
強いセクターは、生活必需品、ヘルスケア、テクノロジーで一般消費財で弱いセクターは、資本財、REIT、金融となります。
【第二次オイルショック時】
第二次オイルショックは、1970年代まで遡るため、ETFなどで具体的な業態別パフォーマンスを見ることはできませんでしたが、情報を調べていくうちに以下のことがわかりました。
強いセクターは、エネルギー株の景気敏感株などで、弱いセクターは、通信などのグロース株です。
ここまでで、わかることは、リセッションに強いセクターは明確にないということです。テクノロジーといったグロース株が強い時もあれば、エネルギー株のような景気敏感株もあります。その時々のリセッションが起こった背景を確認して、投資をする必要があります。
- リセッションごとに強いセクター、弱いセクターは異なる
- リセッションごとにその時代の背景が、セクターのパフォーマンスに色濃くあらわれる
終わりに
今回は、リセッションということをテーマで記事を書いていきました。
米国株はウクライナ情勢の悪化により、株価は持ち直しており、景気も強い状況ですが、住宅価格の高騰、インフレの激化、FRBによる金融引き締めなどの原因で、市場環境の暗転も懸念されます。リセッションが来る前に、事前に準備をしておくことが大切です。
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